グリースの使い方【総論編】

グリースの使い方に関しては、諸先輩の方々の貴重な経験を基にした有益な見解が多くあり、いろいろと勉強させていただきました。
(グリースの一般的な話は、Taka@よろず研究所殿のTakaよろず研究所 のWeb page【各種グリスと使用上のヒント】が大変参考になります。)
ここでは私なりの使い方の考えをまとめておきたいと思います。独断と偏見で書いていますので、勘違い等で誤った内容があるかもしれませんがその辺は平にご容赦を!!

【総論編】

1.グリースに求められる機能・性能 
基本機能:物と物の間に油膜を形成し、摩擦低減、隙間を埋める
この基本機能からいくつかの性能・機能が導かれるが、特に自転車に
求められるものは 以下のものが考えられる。

①摩擦低減 ――→ スピードアップ、乗り手の疲労低減、
パーツの長寿命、操作性の向上

②隙間を埋める ――→ 防錆、防水、ネジの固着防止

2.グリースの構成
基油と増稠剤を混ぜたもので、増稠剤というスポンジに基油が滲み込んでいる状態と考えてよい。増稠剤に力がかかると滲み込んでいる基油が出てきて潤滑し、力が抜けると、基油は増稠剤に吸い込まれる。その他に酸化防止剤、錆び止め剤などの添加剤や二硫化モリブデン等の充填剤が入っている。

3.グリースのパラメーターと回転抵抗
  グリースの基本パラメーターは基油の動粘度と増稠剤の稠度である。粘度はm2/sで表され、数字が大きくなるほど粘るようになり、回転の抵抗も増加する傾向にある。
また、稠度はグリース等のペースト状物質のみかけの硬さを表す指標。規定の円錐を試料の表面に垂直に落とし、5秒間で貫入した深さ(mm)の10倍の値で示す。値が小さいほど硬いグリースである。また、稠度の値のみでは判り難いので稠度番号(NLGI No)が使われる(下記)。

稠度番号      00号     0号    1号   2号    3号    4号
(NLGI No) 

稠度       400~430 355~385 310~340 265~295 220~250 175~205
(1/10mm)

状態    半流動状  極めて軟  軟  中間  やや硬   硬

稠度番号が大きくなるほど、グリースも硬くなり、回転抵抗も増加する傾向にある。
また、一般的にグリースの温度が高くなるほど、基油の粘度は低くなり(さらさらになる)、稠度は大きくなる(ゆるくなる)。よって、寒い時期は、ゆるいグリースを用いたほうが、回転抵抗増加を防げる。

3.グリースの不良とその原因
グリースにとって、自転車からの定常的負荷は、グリースに想定されている定常的負荷に比べて低いので 静荷重の大小はさほど気にする必要は無く、瞬間的な衝撃力を考慮すればよい

画像

                  (見にくい時は、拡大してください)

上図に示すとおり 使用中に酸化や異物の混入や高温による劣化などがあるので定期的な更新が必要である。
何年も手を入れていなかったママチャリのグリースアップをすると、ベアリングが茶色に変色している。これは、潤滑不良による発熱でベアリングが焼けているからである。このまま使用すると腐食が進行して、ガタが発生し、ベアリングのみならすワンにもダメージ(通称 虫食い)を与える。

4.防錆効果
屋内など、直接雨がかからない場所であれば、防錆剤などを特に配合していないグリースを塗布しておくだけで、金属表面と空気の間に油膜を形成し、空気中の水分による錆びの発生は防ぐごとができる。しかしながら雨や泥が直接かかるときは、雨や泥により塗布したグリースが洗い流されることで防錆効果が失われ、錆が発生する。これを防ぐには錆び止め剤が配合されている必要がある。また、流されないよう粘着性が高いものを選定する必要がある。

5.ネジの固着防止
ネジの固着のメカニズムは次の通りと言われている。
①ネジ面の一部が局所的に摩擦増大
②摩擦増大部分が発熱し高温になる
③高温部分の酸化が促進し、固着する
これを防ぐには、局所的な摩擦増大を防ぐことが有効であり、グリースを塗ることになる。
この際、グリースを塗らないよりは、何かしら塗ったほうがいいのは確かであるが、より良い効果を得るためには、極圧性が高いものを選定すべきである。固着防止専用のケミカル(Wako’sのスレッドコンパウンドやロックタイトのシルバーアンチシーズなど)は極圧性を上げることと、放熱性を上げて温度上昇を防ぐ意味もかねて金属球を配合してある。
チタンネジはよく固着防止のため専用グリースを必ず使えと言われている。その理由としては、チタンは熱伝導率が悪く、局所的に温度が上がりやすいまた酸化し易いので酸化物を生成しやすい。このためスチールやステンレスより格段に固着しやすい。よって、チタン部品は、固着防止には専用のケミカルを使うべきである。

極圧性:グリースは高い圧や負荷がかかると、油膜切れが発生し、金属面同士が直接接触して摩擦や磨耗が起こってしまう。これを防ぐために通常グラファイトや二硫化モリブデンといった固体潤滑剤を添加する。固体潤滑剤は金属の表面に結合し、金属面が互いに接触すること、および潤滑剤の膜が薄くなりすぎた際に摩擦・磨耗が起こるのを防ぐ効果を持つ。よってこのような機能を持つ固体潤滑剤を極圧添加剤として配合してあるグリースを極圧性があるという。

6.耐水性
 グリースには水分の混入により、白色に変化し、劣化するものがある(乳化)。これは、増稠剤の材質によっては化学変化をおこすものがあるためである。これを防ぐには水分の混入でも化学変化を起こさない増稠剤を選択する必要がある。一般的にLi系と言われるグリースは耐水性が高い。また、自転車用として市販されているグリースも概ね耐水性は高いようである。

これにて総論編はひとまず終了。次回各論編に続く

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